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冷凍食品技術研究 No.104 2014年9月発行

1. 食材の機能性を担う"フードファクター"と健康

白石真人 (東京海洋大学)

東京農業大学の歴史と食品安全健康学科(2014年4月新設)の紹介

食品安全科学分野:食中毒や副作用の危険因子を検出・防止

・健康機能科学分野:食品の機能を遺伝子から動物レベルまで解明

・フードファクターの例:リコペン(トマト)、アスタキサンチン(カニ・エビ)、カプサイシン(唐辛子)、アントシアニン(ブルーベリー)、β-カロテン(ニンジン)、クルクミン(ウコン)、カテキン(緑茶)など

・各成分の薬理作用メカニズムの詳細解説

2. 食中毒の二冠王におさらばよ(腸炎ビブリオとフグ毒の戦い)

田口博人 (大日本水産会)

・腸炎ビブリオとフグ毒による食中毒対策の歴史

・腸炎ビブリオ:昭和40年代に猛威、平成10年12,318人→平成24年124人に激減

・フグ毒対策:昭和54年にフグの種類と部位を明確化、フグ鑑別図鑑作成

・水産庁による産地市場での海水殺菌装置・製氷施設導入で腸炎ビブリオ激減

・食中毒の二冠王が消滅

3. 2020年東京オリンピック選手村おもてなし食事メニューの考察-アスリートへのチーズの効用検討と冷凍保存の検討-

増子忠恕 (サービス調理衛生研究所)

・1985年ユニバーシアード神戸大会から国際大会支援活動

・アスリートへの発酵食品提供:加熱殺菌処理品は禁止、ナチュラルチーズ必須

・プロセスチーズは認められず、ゴーダーチーズ等のナチュラルチーズ提供

・細菌検査結果:黄色ブドウ球菌0、大腸菌群陽性率3.8-4.5%

・リンデットゴーダーチーズ:13℃75-80%湿度で4ヶ月以上発酵により大腸菌群消滅

・2020年東京五輪では日本産ナチュラルチーズ提供を期待

4. ここがポイントかな?食品冷凍技術

白石真人(東京海洋大学)

・ホウレンソウの凍結解凍損傷:短期間vs長期間凍結の効果

・コーヒー抽出液のブロック凍結濃縮:溶質回収と生物活性成分への影響

・工業的冷凍野菜製造工程の品質への影響(組織構造、テクスチャー、抗酸化活性)

・臍帯血多能性幹細胞の凍結保護物質としてのトレハロース評価

・電磁場の生物凍結保存への作用に対するフェリ磁性体モデル

・その他国内外の研究論文30編を紹介

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