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冷凍食品技術研究 No.23 1993年1月発行

1. ヨーロッパの食品動向(その1)

増子忠恕(調理衛生研究所)

ヨーロッパ各国の食品市場における最新トレンドや規制、包装技術の進展をまとめています。特に冷凍食品分野での消費者ニーズや安全基準の変化に焦点を当て、今後の市場拡大に必要な技術革新の方向性を示しています。本章では、ヨーロッパ各国における食品市場の最新動向や技術革新、規制の変化を俯瞰。冷凍食品分野においては、包装技術の進化と消費者の健康志向が品質向上に直結しており、今後もこれらへの対応が市場拡大の鍵になると結論づけています。着実な技術導入と消費者ニーズ把握が競争力維持に不可欠です。

2. JETRO貿易振興指導事業で中国河北・山東両省(アスパラガス)に出張して

小泉栄一郎(ライフフーズ株式会社)

中国河北・山東でのアスパラガス生産と輸出促進事業の調査報告。生産技術の遅れや品質管理の課題を具体的に分析し、現地企業と連携して技術指導や品質基準の統一を推進しました。結果として輸出品質の均一化に寄与し、国際市場の信頼獲得につなげる道筋が示されました。

3. 平成4年10月14日冷凍食品技術講演会内容

⑴. 冷凍食品生産における海外戦略(東南アジアの冷凍水産物)

マレーシアの松城産業によるウナギ養殖と一貫生産の実態を紹介しています。自然災害が少なく養殖条件に適した環境を生かし、品質管理を徹底。海外進出の背景にはコスト競争力確保と現地資源の有効活用があり、東南アジア市場の拡大に対応した長期的な生産体制育成が要点です。


⑵. 流通業界から見た冷凍食品の今後

西友の冷凍食品の納品期間や賞味期間の基準を示し、賞味期間の表示を重要視。長期賞味をうたうよりも鮮度を優先し、購入後早期に消費する意識を促す必要性を指摘。加えて、製造年月日の表示は消費者保護の観点から必須であり、誤表示が品質トラブルや顧客不信につながることを強調しています。


⑶. 食品工場における品質管理の問題点と対策

品質管理不足の主な原因としてマニュアル未徹底、技術継承不足、過信する機械信頼、基本技術の軽視を挙げます。クレーム防止には従業員教育とコミュニケーションの強化がカギ。また、品質管理は単なるコストではなく企業利益確保の重要要素であり、基本技術と顧客満足の両立が必要と結論付けています。

4. 会員紹介

〜株式会社武蔵野フレック〜


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