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冷凍食品技術研究 No.3 1986年1月発行

〈海外報告〉国際食品規格

別所 智博(農林水産省食品流通局消費経済課)

FAO/WHO合同食品規格委員会(Codex)で議論されている「否定的強調表示(無添加・無塩などの表示)」の定義、分類、利点・問題点を整理し、各国の立場や規制案(全面禁止、条件付き容認、栄養表示・特殊用途食品規格との関係)を解説している。 また、日本の消費者保護施策として、食品添加物・残留農薬・輸入食品監視・JAS表示などの当面の政府方針が簡潔に紹介される。

〈原材料〉冷凍食品の新素材「大豆たん白」

矢内 尚文(不二製油株式会社)

大豆たん白(分離・濃縮・粒状・繊維状)の栄養性(アミノ酸バランス、コレステロール低下効果)、資源効率の利点を示し、肉製品や水産練り製品・惣菜での利用方法(粉末の予備水和、カード法・エマルジョン法、ハンバーグ・餃子・シューマイ・バッター等での配合と食感・歩留改善)を具体的な配合例と物性データ付きで解説している。

〈製造技術〉冷凍食品のFMSについて

宗像 一郎(ヤヨイ食品株式会社)

FMS(フレキシブル生産システム)概念を冷凍食品製造にどう適用し得るかを論じ、多品種少量生産が冷凍食品の宿命であること、学校給食用オムレツの事例などから「中品種・中量」志向や小ユニット設備の有利さを述べる。 さらに、生産計画・在庫管理・工程管理の考え方や、フレキシブルな企業体質(環境変化への計画的順応)の重要性を論じている。

〈品質管理〉冷凍米飯製造上の諸問題

近藤 正(味の素冷凍食品株式会社)

冷凍米飯の原料米特性(品種・精米・水分)、炊飯条件、冷却・急速凍結条件、再加熱性などが品質(粘り、硬さ、老化、食味)に与える影響を整理し、製造上の主なトラブルと対策(粒割れ・団子化・臭い・乾燥防止など)が述べられている。

〈品質管理〉K値による水産物の品質評価

昌子 有(大洋漁業株式会社)

魚介類の鮮度指標としてのK値(ATP関連化合物の分解度)の原理と測定法を説明し、魚種・保存温度とK値の関係データから「冷凍前鮮度」や解凍品の品質評価への応用可能性を示している。


〈品質管理〉冷凍食品の衛生管理

藤田 八束(上野製薬株式会社)

冷凍食品工場における衛生管理の考え方(危害要因、汚染経路)、施設・設備・従業員衛生、原料受け入れから製品保管までの各工程での管理ポイント、微生物検査や指導体制の必要性を概説している。

〈品質管理〉生産工場における工程管理について

遠藤 英則(株式会社ニチレイ)

工程管理の目的を「納期・数量・コストの達成」とし、生産計画→進捗管理→事後処理の流れや、在庫・負荷・能力の把握方法を説明する。 さらにIE(Industrial Engineering)の概念を紹介し、方法研究と作業測定を用いた工程分析・作業分析・時間研究・ワークサンプリングなどによるムダ排除・能率向上手法を詳細に解説している。

〈管理器具〉フードスタンプについて

宮台 信一(日水製薬株式会社)

フードスタンプ(食品用スタンプ)の概要、構造とインクの衛生性、使用目的(製造日・ロット表示、工程管理印など)、運用上の注意点が紹介されている。

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