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冷凍食品技術研究 No.6 1987年3月発行

〈海外報告〉「米国における冷凍食品工場」日米の差異

浜光(味の素冷凍株式会社)

米国USDA(農務省)のFSISが食肉・家禽肉加工工場を厳格に管理する体制を解説し、設備・ラベルの事前認可、インスペクターの日常チェック(Daily Sanitation Report、Critical Control Points)、生産停止権限などを紹介。日米差として、生産設備の認可義務、原材料保証書提示、ラベル届出(Temporary/Final承認)、インスペクターの交代制による癒着防止、FOOL SAFE思想に基づく衛生管理(手洗い消毒、グローブ義務、排水アンチサイホン装置、サニテーション頻度分類)が挙げられ、GMP・HACCPの徹底が冷凍食品の安全性を支えていると結論づけている。

〈原材料〉食品へのサイクロデキストリンの利用

奥重機(大洋漁業株式会社)

澱粉由来の環状オリゴ糖サイクロデキストリン(CD)の生成過程と機能(揮発性物質安定化、酸化防止、物性改変、乳化、粉末化基材)を説明し、香料保持、脂質酸化防止、特異臭除去(トリメチルアミン、大豆蛋白臭)、苦味軽減、ナッツ粉末化などの応用例を示す。冷凍食品では揚げ衣の油切れ向上、獣肉臭マスキング、FR52(肉フレーバー包接品)活用による新製品開発が可能で、テスト結果(TMA除臭90%以上、バターオイル包接率50%超、ナッツ酸化抑制)が実証され、安全性・多用途性から積極活用を推奨している。

〈品質管理〉冷凍食品の正味重量の測定の研究(第2報)

中山小太郎(東洋水産株式会社)
大久保慶一(株式会社極洋)

冷凍あさり貝(生むき身)とイカの正味重量測定法を前報に続き検証し、工場実態(受渡水切り80%、洗浄水切り後20%加水)を反映した解凍試験で、洗浄水切り重量を正味基準とし加水分を考慮すると解凍重量と一致することを確認。ドライパック・注水凍結・グレーズ品の測定法(金網水切り2分、中心温度0-5℃確認)を提案し、日本冷凍食品検査協会基準との整合を促すとともに、水分測定併用などの再検討を提言している。

〈品質管理〉水産物の品質上の問題点

篠山茂行(日本軽金属株式会社)

マグロ肉色変化(メトミオグロビン生成)、赤色魚類退色、カツオ・マイワシ脂質酸化(遊離脂肪酸増加、過酸化物価上昇)、マグロ“しみ・やけ肉”、タラ・カニ肉スポンジ化、ウニ身くずれ・えぐ味、カツオ缶オレンジミート、エビ黒変、魚肉ジェリー化、寄生虫などを列挙し、原因(酸化・ガス・タンパク変性)と防止策(急速凍結-30℃以下、真空包装、脱血・脱ガス、食塩水煮熟)を整理。冷凍技術の最適化が品質劣化を最小限に抑え市場価値を維持する鍵と結論づけている。​

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