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冷凍食品技術研究 No.5 1986年11月発行

〈原材料〉冷凍食品と香辛料

長野克己・林祐一(高砂香料工業株式会社)

スパイスの定義・分類・主な機能(矯臭・抑臭、着色、呈味、抗菌・抗酸化)を概説し、ペッパー、レッドペッパー、マスタード、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、パプリカ、ハーブ類など主要香辛料について、植物学的情報、産地別特徴、精油成分、香味特性と用途を詳細に整理している。さらに、乾燥品・オイル・オレオレジン・コーティングスパイス・吸着スパイスなど多様な加工形態と殺菌方法(過熱水蒸気、ガス、放射線など)の特徴を示し、冷凍食品における高級化・差別化の鍵として、香辛料特性の理解と衛生性・安定性を両立した利用設計が重要だと結論づけている。​

〈機械装置〉ニュー(高感度)金属検出機と理論

宮原良夫(マイテック工業株式会社)

金属検出機の検出原理(電磁誘導方式など)を基礎から説明し、感度向上のためのコイル構成、信号処理、ノイズ対策の考え方を示している。従来機では検出困難だった微小な金属異物やステンレス片などに対応する新型高感度機の構造と性能、誤検出要因(温度変化、製品塩分・水分、包装材など)への補正技術を解説し、冷凍食品ラインにおける異物混入防止・品質保証の中核装置として適正選定と保守管理が不可欠と結んでいる

〈製造技術〉冷凍ゼリーの研究について

島田覚(旭東化学産業株式会社)

冷凍・解凍しても物性と離水が安定したゼリーを得るために、カラギーナンやローカストビーンガムなど多糖類ゲル化剤の性質、pH・糖濃度・加熱条件の影響を系統的に検討した研究である。酸性条件や高温保持でカラギーナンが分解しやすいことから、pHを3.6〜4.0程度に調整し、酸や果汁の投入順序、溶解・充填温度、急冷条件を工夫することで凍結ゼリーの組織破壊と離水を抑制できることを示す。これにより、凍結後も食感と透明性を保つチルド・冷凍デザートの設計指針が得られると結論づけている。​

〈機械装置〉電磁誘導フライヤーについて

森田巌(株式会社第一化成)

電磁誘導加熱(IH)を利用したフライヤーの構造と原理を解説し、ガス式・電熱式との比較で、加熱応答性、温度制御性、省エネ性、安全性に優れることを示している。油温の精密制御により揚げ色・食感の再現性が高まり、油の酸化劣化も抑制できるため、冷凍フライ食品の品質と歩留まり向上に寄与する点が強調される。一方で、装置コストやレイアウト上の制約も指摘しつつ、適切な設計と運転条件の設定により工場ラインへの導入効果が大きいと結んでいる。

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